年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。年次有給休暇が付与される要件は2つあります。
(1)雇い入れの日から6か月経過していること
(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと
この要件を満たした労働者は、10労働日の年次有給休暇が付与されます。また、最初に年次有給休暇が付与された日から1年を経過した日に、(2)と同様要件(最初の年次有給休暇が付与されてから1年間の全労働日の8割以上出したこと)を満たせば、11労働日の年次有給休暇が付与されます。その後同様に要件を満たすことにより、次の表1に示す日数が付与されます。
Q1.パートタイム労働者にも有給があるのか。
パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者についても年次有給暇は付与されます。ただし、上記の場合よりも少なく、比例的に付与されます。具体的には、次の表2のとおりとなります。
一般の労働者(週所定労働時間が30時間以上、所定労働日数が週5日以上の労働者、又は1年間の所定労働日数が217日以上の労働者)には、表1が適用されます。表2は、週所定労働時間が30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下、又は1年間の所定労働日数が48日から216日までの労働者に適用されます。
Q2.有給所得に理由は必要か。
いいえ、必要ありません。有給休暇は、労働基準法第39条で定められた労働者の権利であり、権利行使に特別な理由は必要ありません。そのため取得理由は「私用のため」で構いません。
Q3.時間単位で使うことは可能か。
原則として1日単位となっていますが、労使協定によって半日単位や時間単位でも使うことができます。
Q4.有給休暇に期限はあるのか。
付与された時から2年間です。例えば入社半年目で付与された有給休暇は入社2年半目まで繰り越しできます。それ以降は消滅します。
参考文献
「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html)(最終閲覧日2021年8月29日)
「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています 有給休暇」の付与日数は、法律で決まっています」(PowerPoint プレゼンテーシhttps://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdfョン (mhlw.go.jp))(最終閲覧日2021年8月29日)